日本は地震や台風等様々な災害が発生しますし、温暖化によって災害の強さもどんどん上がっているような気がします。もし災害を受けた場合に税務上できる取扱いについて確認しておきましょう。
国税庁からもF&Qが公表されていますのでご確認ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/h30/pdf/0018007-094_01.pdf
- 災害により滅失・損壊した資産等
法人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合に、その被災に伴い次のような損失又は費用が生じたときには、その損失又は費用の額は損金の額に算入されます(法法 22③)。
- 商品や原材料等の棚卸資産、店舗や事務所等の固定資産などの資産が災害により滅失又は損壊した場合の損失
- 損壊した資産の取壊し又は除去のための費用
- 土砂その他の障害物の除去のための費用
- 資産の評価損
法人の有する棚卸資産、固定資産又は一定の繰延資産につき災害による著しい損傷が生じたことにより、その時価が帳簿価額を下回ることとなった場合には、帳簿価額と時価との差額につき、損金経理をすることにより、損金の額に算入することができます(法法 33②)。- 復旧のために支出する費用
法人が、災害により被害を受けた固定資産(その被害に基づき評価損を計上したものを除きます。以下「被災資産」といいます。)について支出する次のような費用に係る資本的支出と修繕費の区分については、次のとおりとなります(法基通7-8-6)。
- 被災資産についてその原状を回復するための費用は、修繕費となります。
- 被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用について、修繕費としているときは、この処理が認められます。
- 被災資産について支出する費用(①又は②に該当するものを除きます。)の額のうち、資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合、その金額の 30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、この処理が認められます。
- 損壊した賃借資産に係る補修費
法人が賃借資産(賃借をしている土地、建物、機械装置等をいいます。)につき修繕等の補修義務がない場合においても、当該賃借資産が災害により被害を受けたため、当該法人
が、当該賃借資産の原状回復のための補修を行い、その補修のために要した費用を修繕費
として経理しているときは、この処理が認められます(法基通7-8-10)。- 害損失特別勘定の繰入額の損金算入等
法人が、災害のあった日の属する事業年度において、災害により被害を受けた棚卸資産、固定資産等の修繕等のために、災害のあった日から1年以内に支出する費用の適正な見積額として繰入限度額以下の金額を、損金経理により災害損失特別勘定に繰り入れた場合には、その災害損失特別勘定として繰り入れた金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されます。また、災害のあった日から1年を経過する日の属する事業年度において、災害損失特別勘定の残額がある場合には、その残額を取り崩して益金の額に算入することとなりますが、やむを得ない事情により修繕等が遅れているときは、税務署長等の確認を受けることにより、その修繕等が完了すると見込まれる日の属する事業年度まで、その残額の益金算入の時期を延長することができます(法基通 12-2-5~12-2-15)。- 災害による損失金の繰越し
法人の有する棚卸資産、固定資産等について災害により生じた損失に係る欠損金額(災害損失欠損金額)がある場合には、その損失の発生した事業年度が青色申告書を提出できない事業年度であっても、その災害損失欠損金額に相当する金額は、その事業年度から 10年間にわたって繰り越して控除されます(法法 58)- 災害損失の繰戻しによる法人税額の還付
災害のあった日から同日以後1年を経過する日までの間に終了する各事業年度又は災害のあった日から同日以後6月を経過する日までの間に終了する中間期間(災害欠損事業年度)において生じた災害損失欠損金額がある場合には、その災害欠損事業年度開始の日前1年(青色申告書である場合には、前2年)以内に開始した事業年度(還付所得事業年度)の法人税額のうち災害損失欠損金額に対応する部分の金額について、還付を請求することができます(法法 80)。- 仮決算の中間申告による所得税額の還付
災害のあった日から同日以後6月を経過する日までの間に終了する中間期間において生じた災害損失金額がある場合には、仮決算の中間申告において、その中間期間において課される所得税額(復興特別所得税額を含みます。)でその中間期間の法人税額から控除しきれなかった金額(災害損失金額を限度)の還付を受けることができます(法法 72、78)- 被災者用仮設住宅の設置費用
法人が、災害により被災した従業員等の住居として一時的に使用する建物(仮設住宅)の用に供する資材(仮設住宅用資材)の取得又は賃借をして仮設住宅を設置した場合において、当該仮設住宅の組立て、設置のために要した金額につきその居住の用に供した日の属する事業年度において費用として経理をしているときは、この処理が認められます(法基通7-3-17 の3)。- 従業員等に支給する災害見舞金品 ≪関連する質問:Q8、Q9≫
法人が、災害により被害を受けた従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品に要する費用は、福利厚生費として損金の額に算入されます(措通61 の4⑴-10⑵)。また、法人が、自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品に要する費用についても、同様に損金の額に算入されます(措通 61 の4⑴-18⑷)。- 災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等 ≪関連する質問:Q10~Q12≫
法人が、所属する同業団体等の構成員の有する事業用資産について災害により損失が生じた場合に、その損失の補塡を目的とする構成員相互の扶助等に係る規約等に基づき合理的な基準に従って、同業団体等から賦課され、拠出した分担金等は、その支出する事業年度の損金の額に算入されます(法基通9-7-15 の4)- 取引先に対する災害見舞金等 ≪関連する質問:Q13、Q14≫
法人が、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程においてその取引先に対して行った災害見舞金の支出、事業用資産の供与等のために要した費用は、交際費等に該当しないものとして損金の額に算入されます(措通 61 の4⑴-10 の3)。- 取引先に対する売掛金等の免除等 ≪関連する質問:Q15~Q17≫
法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として売掛金、貸付金等の債権を免除する場合には、その免除することによる損失は、寄附金又は交際費等に該当しないものとして損金の額に算入されます。また、既に契約で定められたリース料、貸付利息、割賦代金の減免を行う場合及び災害発生後の取引につき従前の取引条件を変更する場合も、同様に取り扱われます(法基通9-4-6の2、措通 61 の4⑴-10 の2)。- 取引先に対する低利又は無利息による融資 ≪関連する質問:Q18、Q19≫
法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として低利又は無利息による融資を行った場合における通常収受すべき利息と実際に収受している利息との差額は、寄附金に該当しないものとして損金の額に算入されます(法基通9-4-6の3)。- 自社製品等の被災者に対する提供 ≪関連する質問:Q20~Q23≫
法人が、不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金又は交際費等に該当しないもの(広告宣伝費に準ずるもの)として損金の額に算入されます(法基通9-4-6の4、措通 61 の4⑴-10 の4)。
色々とありますね。個人的になかでも重要なのが、「災害損失特別勘定の繰入額の損金算入」と「災害損失の繰戻しによる法人税額の還付」かなと思います。
これは知ってないとできないと思うし、災害事業年度になるべく損金を計上して、過去の法人税額と相殺して還付してもらうのが重要だと感じます。
9番以降は被災支援なので、ここもできるだけ支援してあげたいところですね。
事前に確認できる所とすると、青色申告ができているか、従業員の被災支援について慶弔規定ができているかという所でしょうか。慶弔規定については社会通念上相当であるなどの「一定の基準」とあるのでどれくらいが相当なのでしょうか。
慶弔規定については別記事にまとめています。

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